高齢出産を控えた方の中には、妊娠中でも様々な体の変化があり、体調不良になることがあります。

いずれの体調不良も出産して妊娠の状態が終わると、ホルモンの状態が元に戻り、治まることがほとんどです。

それでは高齢出産を控えた方が、妊娠中にどのような体調不良を起こすのか、そしてその対策について簡単に説明していきます。

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めまい・立ちくらみ

妊娠中には、上体を起こした時に目の前が暗くなったり、冷や汗をかいたり、血の気が引く感じで倒れこんでしまうという体調不良が出ることがあります。

この多くは、「起立性低血圧」によるもので、「血管迷走神経性失神」と呼ばれる失神の1つです。特に最高血圧が100 mmHgを切るような低い方は、注意が必要です。

そういった妊娠中の体調不良の場合には、無理をしないでその場にしゃがみこみ、落ち着いてください。外傷性脳出血や血腫などができて問題となることがあるからです。

高齢出産を控えた妊娠初期の段階では、体がダルかったり、眠い感じがして、朝もゆっくり寝ていたいものですが、こういった時期だからこそ、朝は余裕を持って起き、食事をしっかりと取り、脱水や低血糖に気をつけてください。

高齢①

めまいや立ちくらみが起きたときには、無理をしないでその場にしゃがみこみましょう。

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胎動が少ない

赤ちゃんの健康状態については、推定体重の他に、下記の項目から総合的に判断していきます。

  • 羊水の量
  • 胎児心拍モニター
  • 胎動
  • 呼吸様運動(あたかも呼吸しているような動きで、このとき胎児は羊水を飲んだり吐いたりする)
  • 筋緊張



超音波検査での推定体重は10%ぐらいの誤差があり、また胎児それぞれに違いがあるものです。

赤ちゃんが小さめ、羊水が少なめなどと検診で言われることもあるかもしれませんが、妊婦さんが心配しすぎてしまう事は、かえって胎児によくありません。

妊娠20週くらいまでは、胎動がまだわからないことが多いですから、赤ちゃんが育っているか実感しにくいものです。しかし、徐々に感じられるようになってくると思います。

妊娠中の胎動は、横になったときや、食後に活発になることが多いようです。胎動が感じられ赤ちゃんがよく動いているということは、赤ちゃんが元気なサインですので、毎日胎動を意識してください。

高齢①

妊娠20週くらいまでは胎動が分からないことが多いですから、心配しすぎないようにしましょう。

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腰痛

高齢出産を控えた方が妊娠中になる体調不良の中に、腰痛があります。

おなかが大きくなるとともに、重心が前に移動し、腰や背中の筋肉や背骨に過剰な負担がかかります。そして妊娠中のホルモンの影響により、関節や人体がゆるみ、骨盤や恥骨が不安定になる事もあります。

そういった要因から、腰痛が発生してしまいます。ただし関節や人体がゆるむという事は、骨盤内を赤ちゃんが通過しやすくなり、分娩に至ることができるので、生理的な働きでもあります。

関節をほぐすストレッチ・ヨガ・マッサージなども妊娠中の腰痛には効果的です。高齢出産を控えていますので、物を持ち上げる時は、腰だけを曲げずに、ひざを曲げて腰を落とし、両足や下腹部の力を使うようにすればいいでしょう。

高齢①

腰痛にはストレッチやヨガ、マッサージが効果的です。

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便秘と痔

妊娠中の体調不良の中に便秘および痔があります。

妊娠中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)などの影響で、腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘が起きやすくなります。また子宮が大きくなることも腸の動きを妨げる要因となります。

高齢出産を控えた方の中には、排便がうまくいかず、長時間いきんだりすることで痔になり、出血や傷みの症状が出る場合もあります。

産後も、母乳育児のために体の水分がとられて便が固くなり、便秘になりやすいので注意してください。

便秘の予防に重要な事は、規則正しい生活をするということです。高齢出産の方は、特に下記に述べる習慣をつけてください。

  • 毎朝しっかり朝食をとり排便の習慣をつけること。排便の時にいきんだり、トイレに長く座ると逆効果で、痔を悪化させるので注意してください。
  • 食物繊維の多い食品や発酵食品を取ること。例えば根菜類・果物・ドライフルーツ・雑穀ご飯・ヨーグルト・納豆・海藻類など。
  • 水分補給を行うこと。
  • ウォーキングや腹式呼吸を行い、入浴で血行を良くすること。



といったことを、妊娠中には心がけていきましょう。

なお便秘薬は産婦人科の受診の際に相談してください。作用が穏やかな下剤や整腸剤などがありますので、高齢出産の方にあった処方をしてもらうことができます。

高齢①

妊娠中は、規則正しい生活をして食物繊維の多い食品を摂取しましょう。

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肌トラブル

高齢出産を控えた方の中で、妊娠中に多い体調不良が肌トラブルです。

それではどのような症状のものがあり、どのように対策を取っていけばいいのでしょうか?簡単に説明していきます。

ニキビ

妊娠中の体調不良の中で、あまり気にならないですが、ニキビは妊娠中のホルモンの変化によって、皮脂腺から分泌する皮脂の量が増えることにより発生しやすくなります。

これは妊娠初期の段階から発生しやすくなります。しかし一時的なもので、出産後は元に戻ります。

対策としては、丁寧なスキンケアを続け、肌をゴシゴシこすらないようにしましょう。また洗顔や洗髪の際に、洗剤が皮膚に残らないように十分に洗い落とすことも気をつけてください。

高齢①

日々のスキンケアは大切ですね。

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皮膚のかゆみ

妊娠中の体調不良の中に、皮膚のかゆみを訴える人は多いです。しかし出産が終わると、治まることが多いです。

対策としては、保湿剤で肌の乾燥を防ぎ、ゆったりとした締め付けない洋服を着て、自然素材のものを身につけ、体に熱がこもらないようにしていきましょう。

妊娠性痒疹(ようしん)という皮膚トラブルがあります。肌が赤くなる紅斑とプツプツと盛り上がった丘疹(きゅうしん)ができて、水ぶくれを伴うことがあります。

これは就寝時に温まるとかゆみがひどくなり、無意識にかきむしって、さらに症状を悪化させてしまいます。

こういった場合は、皮膚を清潔にする、乾燥させないよう保湿剤を使用する、入浴後は冷たいタオルあてて皮膚を冷やすことが効果的です。

かゆみ止めなどのクリームを使ったり、症状がひどい場合は、内服薬を使用することも考えてみてください。

高齢①

日頃から皮膚を清潔にして、乾燥させないようにしましょう。

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シミ・色素沈着

高齢出産でなくても妊娠中は、紫外線によりシミが濃くなりやすく、かゆみによって皮膚組織をかきこわした跡に、色素沈着を起こすことがあります。

出産が終わると薄くなりますが、これらが残ることもありますので、対策としては、妊娠中は普段よりも丁寧にUV対策やスキンケアを行ってください。

高齢①

妊娠中は普段よりもUV対策をしてください。

アトピー性皮膚炎

高齢出産を控えた方が、妊娠中に起こす体調不良の中で大変なものは、アトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎は、ホルモンの変化や精神的・肉体的なストレスにより、妊娠中に悪化する事が多いです。妊娠中に増えるホルモンの働きにより、皮膚が敏感になり、かゆみが起こりやすくなります。

皮膚をかいてしまうと、さらにアトピーの症状が悪化していきます。妊娠中のつわりなどによるストレスや妊娠による治療薬中断も悪化の原因となります。

対策としては、仕事量を調整してリラックスを心がけてください。また適切なスキンケアでアトピー症状が良くなる場合があります。

体調不良の中でも大変な部類ですので、アトピー性皮膚炎は早めに対応していってください。現在使用している薬があれば、医者に相談してから使用していきましょう。

高齢①

アトピー性皮膚炎の方は、早めの対応をしてください。