妊婦さんが妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染し、様々な症状を引き起こすことがあります。
高齢出産を控えている方であればあるほど、体力的な部分も含め、引き起こす確率が高くなります。
それでは風疹はどのようなときに発症し、その予防はどうすればいいのでしょうか?簡単に説明していきます。
風疹感染
妊娠中の風疹感染が問題になっています。
妊婦さんが妊娠初期に初めて風疹にかかると、胎児に感染し、白内障や緑内障などの眼の症状、先天性心疾患(しんしっかん)や難聴などを引き起こすことが考えられます。これを「先天性風疹症候群」と呼びます。
高齢出産であるかどうかとは関係なく、妊娠の早い時期ほど発症リスクが高く、症状も重くなります。
妊娠中に初めて風疹に感染した場合に、先天性風疹症候群の発症率は、妊娠9週から12週で約50%です。しかし妊娠20週を超えると、ほぼゼロとなります。
風疹は妊娠の初期の段階ほど発症リスクが高く、症状も重たくなります。
風疹の予防
医療機関では、妊娠初期の検査で風疹の抗体を持っているかどうかを確認してくれます。
若い方でも高齢出産を控えている方でも、まずはご自身の結果を確認してください。
風疹の抗体がない場合は、下記のことを心がけましょう。
- 人混みを避ける。高齢出産を控えている方であれば、なおさら気をつけてください。
- 風疹の流行時には、外出時にマスクを着用する。
- 帰宅後のうがいや手洗いを忘れないこと。家族にも同様に行ってもらう。
また出産が終わったら、予防注射を受けることを忘れないように母子手帳にメモしておいてください。もし家族が風疹にかかってしまった場合は医師に相談してください。
風疹でない場合でも安心せず、外出時のマスクやうがいは徹底してください。
風疹ワクチンの接種
風疹ワクチンは、生きた細菌やウィルスの毒性を弱めたものを接種する生ワクチンです。
つまり妊娠中は接種できません。若い方であっても高齢出産を控えている方であっても、妊娠中は接種できないことを必ず覚えておいてください。
しかしながら、妊娠と気付かずに風疹ワクチンを打ってしまった場合には、そのことを理由に中絶する医学的根拠はないとされています。
妊婦さんへの感染を予防するためには、パートナーやまわりの家族が、風疹ワクチンを接種しておくことが大切です。
最近は20歳から40歳にかけての男性の風疹感染も多くなってきています。この世代は子供の頃に予防接種についての体制が大きく変わり、義務から推奨、集団から個別となったことで、風疹ワクチンの接種率が低下してしまいました。
パートナーに抗体があるかどうかを調べたい場合には、内科や健診センターで直接検査を受けてみるとよいでしょう。
妊娠中は、風疹ワクチンを接種できないことを覚えておいてください。