高齢出産の方ではあまりおられないかもしれませんが、妊娠期に旅行に行きたいと考えてる方もおられます。
心配な事は、旅先で何かが起こったときに、そこで入院になってしまうかもしれないという点です。
それでは妊娠期に旅行をしても良いのでしょうか?簡単に説明していきます。
旅行のリスクを考えること
高齢出産でなくても、妊娠期に旅行に行くと、何かが起こったときに入院しなくてはならない可能性があるということです。破水してしまうと、そのまま入院が必要となります。
妊娠20週を過ぎたばかりでは、赤ちゃんを取り出して救命することはできません。しかし妊娠24週から妊娠28週という時期になると、緊急時には赤ちゃんを分娩させて、助けることが可能になります。
ですので、至急筋腫を合併していたり、多胎妊娠の場合などは、年齢だけでない合併症やリスク因子があれば、高齢出産の方に関わらず、あまり無理をせずに慣れた環境で過ごす方がいいと考えられます。
妊娠中の赤ちゃんの生命は、すべてお母さんに委ねられています。出産後は周囲の人のサポートを受けることができますから、妊娠期はくれぐれも無理をしないようにしましょう。
子供が1歳を過ぎれば、少し距離のあるところへ旅行もいけるようになります。高齢出産の方でも、その時まで旅行の楽しみは取っておくという考え方をしてみてください。
妊娠期は無理をしない旅行計画を組みましょう。
妊娠期の飛行機での旅行
高齢出産を控えている方は特に、妊娠期に飛行機で旅行するとき、脱水に気をつけてください。
特に妊娠15週から妊娠16週までのつわりの時期は、飲めない・食べることができないという傾向にありますから、長時間飛行機で旅行をし、飛行機の中で動かない状態になると、血液の循環が悪くなり血のかたまりができる「深部静脈血栓症」(エコノミークラス症候群)を起こす可能性があります。
飛行機での旅行は、トイレに行きやすい通路側の席を確保し、こまめに水を飲み、通路を歩いたりしましょう。ひざから下の静脈の血流を促す「弾性ストッキング」をはくこともお勧めです。
また飛行機での旅行中に腹痛が起こると、対応が難しい場合もあります。事前検診の時に、医師に相談してみてください。もし調子が悪いと感じたら、たとえ当日であっても飛行機での旅行の日程を変更することも必要です。
なお、妊娠期の飛行機の搭乗については、出産予定日28日前から診断書が必要となってきます。さらに出産予定日7日前に入ると、医師の同伴が必要となりますので、事実上、飛行機での旅行ができなくなります。
里帰り出産の場合は、予定日の4週間より前までには実家に帰っていましょう。
調子が悪いと感じたら、旅行の日程を変更することも大切です。